2021年秋開講 定期講習の御紹介 (暫定)

現行の定期講習は9月30日(木)で終了し、来期は10月21(木)から始まります
新しい定期講習について、正式な御案内ページ受講申し込み機能付き)は、10月初め頃にアップする予定です。
その前に、新規開講コースなどを御紹介するため、このページを暫定的に作りました。
お読みになって御不明な点、もっと知りたいことなどがあれば、遠慮なくお問い合わせフォームやメールでお尋ねください。各科目の詳しい内容については、少し時間を要するかもしれませんが、担当講師から御回答することもできます。

東京センター

今秋からの新規開講は、次の5科目です(内2科目は、通信受講専用コース

1.前行道場 帰依と菩提心 ゲシェー・ソナム・ギャルツェン

日曜 午後5時~6時30分 10/24開始 オンライン講義・通信受講対応
 「前行」とは、チベット語で「グンド」といい、本格的な密教の門へ入るために必要とされる準備段階の修行です。一般には、①帰依と菩提心、②金剛薩埵の浄化法、③曼荼羅供養、④グルヨーガの四者を前行の内容としています。今回は、半年間かけて、「帰依と菩提心」の行法を伝授し、修行を実践します。これは、四前行の中でも冒頭に位置づけられ、一番大切な内容です。
 「前行道場」では、四つの前行(及び、それらと関連する六加行法)を順番に取りあげてゆくので、最初の「帰依と菩提心」を行じるのは2年~3年に一度となります。なので、この秋は久しぶりのチャンス! 今回も、前行の実修指導に豊富な経験を有するゲシェー・ソナム師が担当します。「チベット仏教の体系的な実践を始めたい」という方にお奨めのコースです。
◎ 導師の著書『チベット密教 瞑想入門』(法蔵館)をテキストに用います。

2.ナーガールジュナ 宝行王正論 クンチョック・シタル

木曜 午後6時30分~8時 10/21開始 オンライン講義・通信受講対応
 インドの大論師ナーガールジュナ(龍樹)がお説きになった「中観六論書」のうち、これまで『中論』、『六十頌如理論』、『空七十論』、『廻諍論』、『広破論』をこの時間帯の講義で学んできたので、10月からは残る一つ『宝行王正論』を読み解いてゆきます。
 ただ『宝行王正論』には、『勧誡王頌(友人への手紙)』と同様、為政者へ向けて在家仏教徒の心構えを説く内容が多く含まれています。しかし今回は、「中観六論書」の一環としての講習なので、そうした内容の箇所を省き、中観派の見解について説かれた箇所のみを抽出して学びたいと思います。
 中観哲学の解説に長年の経験を有するクンチョック師の担当で、この秋に新規開講。仏教教理の核心となる中観思想を学びたい方にお奨めのコースです。

3.死者浄化儀礼の実践 クンチョック・シタル

土曜 午前11時~12時30分 10/23開始 オンライン講義・通信受講対応
 これまでこの時間帯で「死者浄化儀礼」の理論面を学んできたので、10月からはより実践的な内容を解説してゆきます。ダライ・ラマ8世法王の上師として有名なヨンズィン・イェシェー・ギェルツェンの『死者浄化儀軌の実践と典拠』を読みながら、死者と遺族両方の罪障、業障、煩悩を浄化する儀礼を学びます。さらに、同じヨンズィン・イェシェー・ギェルツェンによるヤマーンタカを本尊とした浄化儀軌を通じ、実践法、典拠、観想法、功徳などについて説明したいと思います。
 このような浄化儀礼は、故人に対する最高の見送り方だといえます。多くの死者を弔う法要としても修法できるし、説くに親しい人を亡くしたときには、故人のために非常に役立つ儀礼となります。上記のように、10月から新しい教材を用いるので、9月までのコースを受講していなくても参加できます。チベット仏教式の葬儀法要について関心のある方へお奨めのコース。

4.ツォンカパ 秘密集会の願文 クンチョック・シタル

通信受講専用コース 10月下旬開始
 ゲルク派宗祖ツォンカパ大師が綴った「秘密集会祈願文(サンドゥー・ムンラム)」を、ゴムチェン・ガワン・タクパの註釈に沿って読み解きます。これは、上師や本尊へ単に祈りを捧げるような内容ではなく、「秘密集会(グヒヤサマージャ)」聖者流の生起次第と究竟次第の要点を網羅しつつ、それらを順に正しく修習してゆけますように・・と廻向するものです。なぜ廻向になるかというと、通常こうした祈願文は、成就法儀軌の末尾で読誦するからです。一座の冒頭から末尾まで修行してきた善根を、生起次第・究竟次第の速やかな成就のために廻向するという趣旨です。
 そのようなわけで、この祈願文の中身を丁寧に学ぶことにより、「秘密集会」の二次第を概観するとともに、成就法の実践をより効果的たらしめることができるのです。この秋に新規開講、密教の行法に関心のある方へお奨めです。
※ 本コースは、無上瑜伽タントラの大灌頂を受けている方のみ受講できます。

5.宝徳蔵般若経 ガワン・ウースン

通信受講専用コース 10月下旬開始
 数ある「般若経」は全て「仏母般若波羅蜜多経」と呼ばれ、般若は仏陀を産み出す母に喩えられます。そのような「般若経」は、弥勒菩薩の『現観荘厳論』の根拠となっています。
 チベット仏教では、「般若経」の諸経典を分類し、「十七の母子(ユムセー・チュドゥン)」として整理しています。この場合、母は中心的な「般若経」(例えば『十万頌般若経』、『二万五千頌般若経』、『八千頌般若経』等)を指し、子 は副次的な「般若経」(例えば『金剛若経』、『般若心経』等)を指します。そのとき母子を分ける 基準は 、仏陀の境地へ至る八現観を全て説いているか否かです。母は八現観を全て説く6つの経典、子は八現観の一部を説く11 の経典とされています。
 今回読み解いてゆく『宝徳蔵般若経』は、偈文のみの比較的短い経典ながら、八現観の全てを説示しているので、母の6つの経典に含まれます。チベットでは、チュー(断境)の行法の裏づけとなる聖典としても重視されています。僧院教育の中心課題である『現観荘厳論』の八現観を、その根拠となる「母なる六般若経」の中でも簡潔で取り組みやすい『徳蔵般若経』を通じて学べる点が、本コースの特色といえます。この秋に新規開講、「般若経」や「八現観」に関心のある方、また「チュー」の修行に興味のある方へお奨めのコース。

上記以外の東京センター定期講習は、各科目で学んでいる現行内容の続きを行ないます。なお、通信受講専用コースの「ロジョン七義」と「金剛般若経」は、今期で完結となります。

京都教室

来期の実施日は、10月24日(日)11月28日(日)12月26日(日)、2022年1月23日(日)2月27日(日)3月27日(日)を予定しています。会場は、今までどおり明覺寺めいかくじ)会議室(京都市下京寺区平野町781)です。

午前11~時午後1時は「真言道次第広論 第十二品 - 生起次第の解説」、午後2時~4時は「前行 - 曼荼羅供養」で、いずれもクンチョック・シタル師が担当します。

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